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お寿司屋さんの欠かせない脇役「ケラ玉」

2017/6/2

ブログ

みなさんこんにちは、江戸前寿司特集折り返し特集折り返し地点!本日は寿司屋の名脇役「ケラ玉」のスピンオフをお送りいたします。    

「ケラ玉」って?

「ケラ玉」と聞いておそらくピンとくる人は少ないでしょう。     「ケラ玉」とは一体何か?     正解は「玉子」です。     お寿司屋さんではどこにいっても必ず存在します。 厚焼き玉子の場合もあれば、しゃりの上に乗った玉子に海苔を巻いていたりなど、お店によって提供してくれる形も様々です。   そもそも、現在のいわゆる「玉子」寿司と「ケラ玉」は違うものです。 「玉子」の多くが普通の玉子焼きなのに対し、「ケラ玉」はお寿司屋さんごとに鶏卵、だし汁、魚のすり身、醤油、砂糖などを配合し独自の玉子焼きを作り、握り寿司として提供しています。   なんで「ケラ玉」と呼ばれているのかというと、ケラというのはそもそも鋼のもととなる塊のことです。   ケラは不純物が極めて少ない鉄で、玉子を焼く時の鉄板に使われたことから、玉子のことをケラ玉と呼ぶようになったそうです。   もともとケラ玉は薄焼きで、じっくりと時間をかけて焼くものでした。   江戸前の昔ながらの薄焼き卵だったケラ玉は、当時デザートのような役割を持っていたそうで、通常最後に食べるものだったそうです。     ここまで来て「なんだ、玉子のことだったのか」と思った人もいるかもしれません。しかし寿司屋の玉子は侮ることができません。     かつては「ケラ玉の味でその店の職人の腕がわかる」と言われるほど、ケラ玉には寿司屋の腕が反映されていたのです。 しかし、それも昔の話、今では既製品の玉子を使うところが増えてしまい、職人の腕を測ることはできなくなってしまいました。  

なぜ寿司屋に「ケラ玉」が登場したのか

ではそもそも、なぜ「ケラ玉」が寿司屋のメニューとして登場するようになったのでしょうか?     実は、これの確かな理由は未だ解明されていません。     有力な説としては   (1)子供向けメニューとして考案された説     寿司は最初ファストフード的な存在として江戸で広まりましたが、基本的には最初から高級な食文化でした。 それがいずれ大衆文化として広まったのを契機に、家族で食べる時に子供でも楽しめるメニューを設けようとして、玉子の寿司が生み出されたのではないかと言われています。     (2)口直しのメニュー説   寿司と寿司の間の口直しといえば、ガリですが、「ケラ玉」にも同じような役割があったのではないかと言われています。 海鮮の寿司と海鮮の寿司の間に玉子を食べると口の中に残った風味を中和してくれ、別のメニューを食べる時に風味を邪魔しないようになります。     (3)色合い説     高級な寿司屋さんに行くと、寿司は様々なメニューが一つのゲタ(木製の皿)に乗って出てきます。 寿司のネタの色は様々ですが、全体の色合いを整えるため、玉子を置くようになったという風に言われています。 確かに、海鮮で黄色のメニューはあまり考えつかないですよね。 味だけでなく、見た目の美しさも追求する日本人ならではのセンスかもしれません。   このように、「ケラ玉」の発祥を巡る議論には様々な説が飛び交っていますが、どれもこれもあり得る話ですし、もしかしたらこれら全ての理由を考慮して「ケラ玉」は考案されたのかもしれません。 そうするとかつての寿司職人たちの工夫には本当に脱帽してしまいます。  

つきぢ神楽寿司江戸前セットの「ケラ玉」

つきぢ神楽寿司両国江戸NOREN本店では「ケラ玉」に加えて通常の玉子焼きも提供しております。 つきぢ神楽寿司の店舗の中でも、ケラ玉を取り扱っているのは両国江戸NOREN本店の「江戸前セット」のみです。   つきぢ神楽寿司の「ケラ玉」も伝統の江戸前寿司の理念を引き継ぎ、魚のすり身を入れるなど、細かい部分へのこだわりを持っています。   つきぢ神楽寿司の玉子を食べたことがある人もない人も、江戸前の職人たちの工夫を意識してみると、もしかしたら味の違いに気が付けるかもしれません。   ぜひ、つきぢ神楽寿司こだわりの「ケラ玉」をお楽しみください!   次回の江戸前特集では、「かんぴょう」を紹介いたします。「かんぴょう」の正体って皆さんご存知ですか?