築地屋台店
2016/7/4
ホシガレイは、カレイやヒラメ類に属する魚のなかで、最も高級とされている白身魚です。もともと漁獲量が少ない魚だったのですが、さらに激減してしまったことで、ほとんど見ることのできない幻の魚のようになっています。
日本では三陸や九州地方の西部などで生息していて、全長60cm・重さ4kgほどになるのですが、成長のスピードが速いことが大きな特徴です。当店では水揚げされている産地は青森になります。マツカワという魚に似ているのですが、背びれや尻びれの部分に違いがあるので、両者を区別するのは難しくありません。
産卵期は12月から2月にかけての時期で、美味しく食べることができる旬の時期は5月から6月頃だといわれています。重さが2~3kgほどになっているものが最もよいとされていて、1kgほどのものは価格が半分くらいになってしまいます。大きなサイズに成長しているのは全てメスで、オスの場合はあまり大きく成長しないのが特徴です。ホシガレイを漁獲する際は定置網・底曳き網漁のような方法を用いることが多いです。
非常に高級な魚であるため、一般のスーパーなどでは滅多に見ることがありません。美味しく食べるには活魚を選ぶのが基本となっていて、野締めでは味が極端に落ちてしまうので注意が必要です。
活け締めを握ると甘みがあり、心地よい食感で後味がいい。触感は締めた当日がいいが、味では2~3日寝かせたほうがいいとも言われています。ホシガレイはあまり獲れないので、寿司屋で出合う機会はあまりございません。ぜひ、この機会にご賞味ください。
2016/6/27
コチは、広い地域に分布している魚ですが、日本においては千葉県・岡山県・香川県が特産の地域で、高級魚として知られています。
体長は40cmほどになりますが、最初からオスとメスとに分かれているわけではなく、成長していく過程で性転換するのが特徴です。神官が持っている「こつ」に形が似ていることや、固い骨ということをあらわした「こつ」がなまったことが、名称の由来だといわれています。
頭部には食べられる箇所が少ないのですが、頬の辺りには豊富なコラーゲンがあることで知られています。年間を通して入荷がありますが、一般に見かけることはほとんどない魚です。料理店での料理に用いられるのが中心となっていて、郷土料理などで多く見ることができます。
コチが美味しく食べられる旬は春から夏にかけての時期とされています。また、特に高い価値があるとされるのは食感のよさが楽しめる活魚ですが、鮮度が非常に速く落ちてしまいます。タンパク質・ビタミンB6・カリウムなど、豊富な栄養素を含んでいます。夏バテ予防のために食べるのにも向いている魚で、低コレステロール・低カロリーという魅力的な特徴があります。
この機会に、ぜひともご賞味ください。
2016/6/20
イワシというのは複数の小魚を総称したもので、日本においてはマイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシという3種類を指しています。
日本以外の国でも漁獲されていて、世界的にはこれらの近縁種も含められています。陸揚げしたときに弱りやすく、腐りやすいということ、漢字では魚へんに弱いという表記がなされるようになったといわれている魚です。マイワシやカタクチイワシは沿岸部を中心に広く分布していますが、ウルメイワシは温かい海を好むため南日本を中心に分布しています。
旬は6月頃から初冬にかけての時期で、丸々と太っているもの、目が澄んでいるものなどを選ぶのがよいです。優れた遊泳能力を持っていて、群れで行動しているのが特徴となっています。体長は成魚でも10cmから30cmくらいで、プランクトンを食べている魚です。
鮮度落ちが早く品温の管理を厳しくしなければ、すぐエラが赤く変色してきます。 旬のイワシは刺身にするとトロっと脂の乗った味わいで非常に美味です。
DHA・EPAといった不飽和脂肪酸を豊富に含んでいて、栄養価が高い点に注目が集まっていますが、プリン体を大量に含んでいるため人によっては摂取を控えなければなりません。
生活習慣病の予防にもつながるとされるイワシを、この機会にご賞味ください。
2016/6/13
アジ類の中で、特に高級なものとして取り扱われている海水魚はシマアジです。体長が1メートルを超える大型で、亜熱帯や温帯の海域に生息している魚です。体に縦の縞があるということや、伊豆諸島のような島で漁獲されることが多いということが、名称の由来となっています。
オオカミ・コセアジ・カツオアジ・ヒラアジなど、地域によって呼び方が異なっているのが特徴です。熱帯海域には生息しておらず、日本の沿岸では新潟県以南や岩手県南部以南に生息しています。12月から3月頃にかけて産卵しますが、食べる旬としては夏から秋にかけての時期です。
シマアジは一年を通して釣りの対象となっていますが、一般に流通しているのは養殖されたものが中心です。あまり口が強くないため、ゆっくりと丁寧に釣り上げる必要があります。天然のものよりも養殖のものの方が脂が乗っていて美味しいとも言われているのですが、身の締まり具合に関しては天然の方が優れています。
天然ものの場合は1尾で1万円を超えるものもあり、養殖ものでも1キロ2,000円ほどとなる高級魚です。美味しいものを見分けるには、澄んだ目をしているかどうか、身体にハリがあるかどうかを見るようにします。色がくすんでしまっているものは、あまり美味しくありません。
マダイのような上品ななかに、アジ独特の背の青い魚の旨みが含まれています。また、マダイと比べても、シマアジの方がビタミン類が多く含まれます。口の中に入れた時のコリコリとした食感といい、甘みや脂も上質で、まったくクセがありません。ぜひ、この機会にご賞味ください。
2016/6/6
水ダコは、オオダコと呼ばれることもある軟体動物の一種で、タコとしては世界最大といわれています。主な生息場所は北太平洋ですが、日本においては東北地方以北に広く分布しているタコです。一般的なもので体長は3メートルから5メートルほど、体重は10kgから50kgほどになり、最大記録としては9メートル・272kgに達したものもいます。
タコというとマダコを思い浮かべることが多いですが、マダコと比べて水っぽい身をしていることから水ダコと呼ばれるようになったとされています。水っぽいというと、味が良くない印象を受けてしまいますが、刺身にして食べると独特の歯ざわりがあって非常に美味しいです。産卵期は初冬で、この時期が美味しく食べられる旬でもあります。体長が大きいため、生で流通する際は足だけになっていることが多いです。当店では北海道産になります。
足を薄くそぎ切りにした刺身は水ダコ料理の定番になっています。マダコのように旨味はないが食感・柔らかさで人気があり、刺身が苦手な人でも美味しく食べることができます。低脂肪なので、ダイエットをしている人の食事にも適しています。この機会に、ぜひともご賞味ください。